| 私の父は建築板金業を営んでいました。
建築板金といって分かる方はどれほどいるのでしょうか?私の出会った方にはほとんどおりません。 建築板金と言っても私が小さいときには、「板金屋」と言っていました。分からない人には「ブリキ屋」と言い換えたりしていたことを思い出します。 「板金」と言うとほとんどの方は「自動車の板金」と勘違いされます。その当時は、自動車の板金は「鈑金」と書いて、建築関係と、自動車関係で区別していると教わりました。
どんな仕事かと言うと、父の時代では、家の外壁や屋根のトタンを張ったり、雨戸よとを付けたりします。屋内では既製品で合わないような流し台を作ったりしていました。多いときには4人ほどの職人を使っていたこともあります。
時代が進むとトタン屋根はほとんど使われなくなりました。高いので件数は少ないですが銅板の屋根もやりました。同業者の中にはカラーベストと言われる、屋根材を扱っているところもありましたが、腰を痛める方が多いので父は最期まで使いませんでした。
そんな父も私が結婚してまもなく仕事をやめ建築板金業を廃業しました。
廃業して自由にしてもらいたかったのですが、仕事中に何度か屋根から落ちたりました。中には2階の屋根から落ちたこともあります。数センチずれていたら死んでいたと言われたこともありました。 その後遺症が引退後に現れ、歩くのも難しくなり、そして体力も落ち、平成17年に他界しました。
私自身、嫌いな仕事ではなかったので父の後を継ぎたかったのですが、時代の流れで廃業ということになりました。 同業者の方には頑張っていただきたいですね。 |
|
|